ラントマンの雑貨やアンティーク買い付け時の、フランスレポート。
蚤の市便り vol.37 2007.2.8
ホーローのマーク
バラの古布

 ヨーロッパには昔からバラの花を愛する人たちが多く、アンティークのいろいろな物を装飾するモチーフとしてどの時代にも登場しています。今、日本の女性たちの間では古い布を使って本当に器用に手作りなさる方が増えましたね。今日はファンの多いバラのモチーフにクローズアップしてみました。1800年代の終わり頃から1940〜50年代のものまで、時代によってバラもそのまわりのデザインも変化しています。生地の織り、風合いもさまざま、且つその布 地が経て来た背景で、布の痛みや色枯れ具合が異なってきます。

 古い布というのは不思議なもので、持っているだけでなにかあたたかい落ち着き感があります。蚤の市で見つける時は 「ここをこんな風に縫って何々を作ったらよさそう、、」というアイディアもよぎるのですが、自分の物として持って帰ってくると身近にその布を置き、ちらちらと視界に入っているだけで、ちいさな幸福と共にいるような気持ちになります。

 布地のモチーフのデザインは100年経ったらコピーしてもいいのだと、こちらで古布専門のアンティーク屋さんの女主人に教わったことがあります。「ローラアシュレイのデザイナーがこのあいだも来て大量に古いのを買い込んで帰ったわよ!」と誇らしそうにウインクして。布というのは常に人の生活に密着しているので、使われていた時代背景などを知っていくととても奥深くて楽しいものです。布地やリネンを扱うベテランの骨董商の方々と話すと歴史の勉強をしているような感覚になります。私の個人的な経験から来た偏見ですが、古い布地を長い時間かけて扱っている人たち、おおらかで、チャーミングな女性が多いんですよ。(Y)
**画像はさまざまな古い布地たち
積み木 ホーローのマーク 積み木
 
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