ラントマンの雑貨やアンティーク買い付け時の、フランスレポート。

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蚤の市便り vol.33 2006.8.23
ホーローのマーク
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修理されたもの

 古い物を扱う仕事にはまだまだ日が浅く、近頃は、、、などという事を言えるほど経験も持ち合わせていないのですが、それでもあえて最近変わって来てうれしいなと思う事があります。それは、私どもの扱う商品の中で若干のダメージがある品物にも愛好者が増えて来ているという実感です。

 陶器、金属、木の製品、リネン類、ガラスなどいろいろな素材の品物がありますが、今日は特に布類について。少し破れたり、シミがあったり、ましてや繕い跡があったりするものは以前はまったくお客様に受け入れられませんでした。古いものであっても完品、パーフェクトコンディションのものをというご希望が圧倒的で、探し出すのも本当に苦難の技。きれいな状態だと思って仕入れて来てあとでよく見るとちいさなシミを発見し、がっかりすることもありました。

 ですが、あるときふと立ち止まって考え直したのです。破れたりシミや繕いのところが、なんだか美しいのではないかと。状態の良い物を探すのに一生懸命で、モノをきちんと見定めていなかったことに気づいたのです。それからは自分できれいだと思ったものは、たとえダメージがあっても仕入れるようにしました。少し時間がかかりましたが、最近はそんな時間の残して行った跡のようなものを、魅力として愛でてくださるお客様が増えました。

 昔フランスでは、お金に困ったらシーツを質に入れられるほどリネンを大切にしていたので(大きな布地はそれだけで価値の高いものでした)古い布地は幾度も繕われて何十年も使い込まれたものが多いのです。縫い目を追っていると、その時代が見えてくるような豊かな気持ちになります。(Y)

*画像はトワルドマトラというコットンの大きな布地、ところどころに繕い跡があります。
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