ラントマンの雑貨やアンティーク買い付け時の、フランスレポート。
蚤の市便り vol.14 2004.11.13
ブルー
 日本は街の中にたくさんの色があふれているように思います。建物、看板、照明やネオン、車、人々の服、そこここに生きる大小の植物や樹木。マルチカラーが反響し合って、アジアらしいダイナミックな空気を生み出しています。この色にあふれた日本の都会の映像をテレビなどで見ることのあるフランス人は、そこにエキゾチックな魅力を感じ、好奇心をかき立てられるようです。

 これに対して、フランスの街を歩くと私たちはいやおうなしに、全体に落ちつきのあるまとまったトーンがあることに気づかされこの国の一番最初の印象として頭の中の感覚に残ります。

 こちらでは先週の日曜日から冬時間にかわりました。(日本との時差が7時間から8時間に)日照が減り、一日のうち暗い時間が長くなる冬は、しっとりとした落ち着いたヨーロッパの風景が 急にモノトーンでさみしく見えることもあります。そんなグレイな街並を歩いていて目に留まるのがブルー。石づくりの乾いた街なみに、深海を切り取ってきたようなまたは濃色の宝石のような艶っぽいブルーがところどころにうまく使われています。

 私は街でこの色を見てフランスの国旗のブルーを連想するのです。フランス国旗のブルーは自由を意味します。(赤は博愛、白は平等)ブルーというより藍色という方がより近い深い色合いです。昔から街の道表示や建物の番号札に使われているホーロー板のベースの色もこれです。ブルーというのは一般的に寒色といわれますが寒い冬の街中でこのブルーを見るとぱっと華やかな気持ちがして暖かく感じるので不思議です。

 駅で使われているブルー、TGVと呼ばれる新幹線のデザインもご覧ください。すすけた構内で光っているでしょう?すっきりと媚びがなく色の魅力を最大限に利用したおしゃれなデザインは、やはりフランス的だと思うのです。どうこのブルー素敵でしょう?と街が語っているようで。(Y)
**画像は駅の構内、TGVの自転車用専用車両、街の中の青
街の中の青 街の中の青
駅の構内
TGVの自転車用専用車両
ファーマシー
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