ラントマンの雑貨やアンティーク買い付け時の、フランスレポート。
蚤の市便り vol.10 2004.6.13
田舎で見つける骨董屋さん
 私の住んでいる町から車で1時間ほど高速を走った隣町でアーチストの友人の個展がはじまったので見に出かけました。今回はそのときに通りがかって見つけた骨董屋さんのレポートです。
 フランスはどんな田舎を通っても必ずと言っていいくらい骨董屋さんが見つかります。国道沿いやちょっとはずれたひっそりした所にBROCANTES(ブロカント)と書かれた看板を見つけると車を止めずにはいられません。

 この日、立ち寄ったこのお店は古道具や昔の生活日常品を主に扱っていました。たくさん写真を撮らせてもらったのでなにはともあれご覧ください。古い鋳 物や鉄のさまざまな道具、素敵な食器やグラス、昔の映画に出てくるような洗い込まれたリネン類、たくさんあるブルーのボトルはシフォンと呼ばれるガス入 りの水を入れるもので、バーで使われていた分厚いガラス瓶です。黄色いつぼはオイルや蜂蜜をはじめとするいろいろな食品のストックを入れていた保存用の陶器、ひとつひとつに違った表情があってうっとりするほど美しいオブジェです。
 バルボチーヌと呼ばれる独特のレリーフが表面にある楽しいお皿や、お店の中に置いてある家具たちだってもちろん全部売り物です。こういうお店は往々にしてあまりお掃除には気を使わず、置いてある物もずいぶんとほこりをかぶっていたりクモの巣がくっついていたりします。フランスは個人の家、商店にかかわらず、室内の照明が全体に暗めなことが多いので、骨董屋さんで品物にほこりがしていることもなんとなく味わいのひとつのような感じがしてくるんです。

 この日は以前から探していた1800年代終わり頃の鋳物のドアノブをいくつかまとめて求めました。お店のマダムと値段の交渉をしていると、マダムに「あ なたのこと私知ってるわよ。あちこちのアンティーク市で見かけるから」と言われてびっくりしました。自分の姿は自分では見えないのでつい油断するのです がアジア人というのは少しよけいに目立つんですね。笑いながら値段をおまけしてくれました。友達の展覧会もすばらしかったので、とても良い小旅行となり ました。(Y)
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